研究テーマ
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研究課題
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肝細胞癌に対する寡分割定位放射線治療の観察研究 (先進)
- 研究の目的と意義
- 肝細胞癌の治療には、肝切除・肝動脈塞栓術・局所凝固療法・化学療法などがあります。これまで放射線治療はこれらの治療法が不可能であった場合や奏功しなかった場合などに姑息的な治療として行われてきました。近年、高精度放射線治療が臨床の現場に導入され、定位放射線治療による1回高線量投与法の治療成績は、従来の局所療法に匹敵する良好なものであるという報告がなされてきています。しかし、適切な線量分割法や肝予備能への影響などに関するデータはまだあまりありません。本研究では、肝細胞癌に対する寡分割定位放射線治療の治療結果を記録・検討し、今後の治療法改善に役立てさせていただきます。
- 研究の対象
- 原発性肝癌(5cm以内、かつ転移のないもの)で、肝外に活動性病変(リンパ節転移、遠隔転移)が存在しない患者様です。手術、IVR(RFA、TACE)など他の治療法が不可能、もしくは非奏功である病変が対象になります。
- 研究の方法
- 治療前にCT下もしくはエコー下で腫瘍近傍に経皮的に金マーカーを埋め込みます。体幹部定位放射線治療用の固定具を用いて放射線治療計画用CTの撮像を行います。放射線治療用寝台に備え付けているコーンビームCTにて腫瘍の臓器移動を評価し、あらかじめ撮像した診断用CT、MRI、アシアロシンチグラフィー(SPECT画像)などの画像を参考にして治療計画を行います。治療計画が終了したら、放射線治療を開始します。放射線治療のスケジュールは、30-45Gy/5-15回/2-3週間を予定します。治療法は治療部位の効果や生存率、有害事象にて評価し、従来法や他施設の治療成績と比較します。
- 研究への参加と個人情報の保護について
- 本研究への参加を拒否されても何ら不利益は生じません。なお、施設外の研究者に生存および再発などに関する調査協力を依頼する場合には、暗号化や使用後のデータ削除などを確実に行います。プライバシーの保護および人権保護には最善を尽くします。
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