研究テーマ
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研究課題
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転移性脳腫瘍に対する定位放射線治療におけるExacTracによる位置合わせと腫瘍位置に関する検討(先進)
- 研究の目的と意義
- 転移性脳腫瘍に対する定位放射線治療は、腫瘍に対してピンポイントで放射線治療を照射する治療です。腫瘍に放射線を集中させる必要があるため、照射の際の正確な位置合わせが必要となります。定位放射線治療を行なう際の位置確認の方法として、ExacTrac(ブレインラボ社)を用いる方法と、コーンビームCT (コーンビーム:円錐状のX線)を用いる方法があります。ExacTracは2方向からのX線写真を撮影し、得られた頭蓋骨の画像を用いて位置合わせを行なう装置です。ExacTracは少ない被曝量で短時間で実行できるメリットがありますが、骨構造を用いた位置合わせを行なう装置のため脳の腫瘍の位置そのものの確認はできません。コーンビームCTを用いた位置合わせは、放射線治療機(リニアック)に装着されたCT撮影装置でCTを撮影して位置合わせを行なうもので、造影剤を注射して撮影を行なえば腫瘍を描出、確認することが可能です。ExacTracによる位置合わせを行なった上で造影コーンビームCTを撮影することで、確実に腫瘍にピンポイントで照射できているかの確認および転移性脳腫瘍に対するExacTracの精度を検証することができます。
- 研究の対象
- 造影MRIで転移性脳腫瘍と診断され、臨床的に定位放射線治療の適応と判断された患者様で本研究に同意された患者様です。
- 研究の方法
- プラスチック製放射線治療用固定具(ブレインラボ社製)を作成し、造影剤の点滴を行いながら放射線治療計画用CTを撮影します。治療時にも同様に造影剤の点滴を行い、ExacTracでの位置合わせを行います。その後コーンビームCTを撮影し、腫瘍が照射範囲内にあることを確認し、照射を行います。もし腫瘍の位置が照射範囲からずれている場合は治療寝台を移動することで補正し照射を行います。得られたデータを用いてExacTracで位置合わせを行なう際の必要な腫瘍に対する照射範囲の設定について検討を行ないます。
- 研究への参加と個人情報の保護について
- 本研究への参加を拒否されても何ら不利益は生じません。画像データは院内サーバーおよび治療計画装置へ転送し、保管します。プライバシーの保護および人権保護には最善を尽くします。
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