研究テーマ

  • 研究課題

  • 肝細胞癌に対する定位放射線治療における99mTc-GSA SPECT/CTを用いた線量機能評価(倫理)
研究の目的と意義
肝腫瘍に対する放射線治療で最も問題となる合併症は放射線肝障害であり、肝実質の予備能や非癌部実質の被照射体積および線量が放射線肝障害惹起の要素であると考えられています。放射線治療計画の際には、非癌部実質が照射される割合を治療計画用CTの画像をもとにした線量体積ヒストグラムで評価しています。線量体積ヒストグラムは多くの疾患に対する線量処方やリスク臓器への被曝の評価に関して有用であり、臨床の現場で広く用いられています。しかし、肝腫瘍症例は、経過中に肝内病巣が複数出現する場合が多く、放射線治療を行う時点で、すでに他の治療法が肝臓に対して行われていることが少なくありません。ラジオ波焼灼療法や肝動脈化学塞栓療法による治療が行われた場合は局所的な肝機能低下が生じます。また、肝細胞癌の進行例では門脈腫瘍塞栓を形成することがあり、門脈血流が遮断されると、栄養される領域の肝機能は大きく低下します。このため、放射線治療前の非癌部肝実質の機能は不均一なことが多く、局所的な肝機能を考慮した治療計画と線量体積評価が望まれます。しかし、線量体積ヒストグラムは形態画像であるCTをもとに作成されるため、局所的な肝機能を評価することができません。本研究は、機能画像である99mTc-GSA SPECT/CTを放射線治療計画に導入した、線量機能ヒストグラムの有用性を評価することです。
研究の対象
対象は平成25年12月から平成29年3月末までに「肝細胞癌に対する寡分割定位放射線治療の観察研究(先進第1721号)」に参加いただいた肝細胞癌の患者様約15名です。
方法
放射線治療計画時に撮像したSPECT画像を使用し、線量機能ヒストグラムパラメーターを計算します。線量機能ヒストグラムパラメーターと線量体積ヒストグラムの比較を行います。また、線量機能ヒストグラムパラメーターをもとにした放射線治療計画を行い、従来法と比較することによってパラメーターを改善することができるかを評価します。
研究への参加と個人情報の保護について
本研究への参加を拒否されても何ら不利益は生じません。プライバシーの保護および人権保護には最善を尽くします。

研究機関・問い合わせなどの連絡先

熊本大学医学部放射線治療科  東家 亮
予約096-373-5973 受付時間:月~金 8:30~17:15
外来096-373-5755 受付時間:外来診療日 8:30~17:15
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