研究テーマ
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研究課題
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声帯固定を伴わないT3声門癌に対する放射線治療成績と再発形式の検討(倫理)
- 研究の目的と意義
- T3声門癌に対する治療は従来、手術療法が主流でした。近年、化学療法の発達により、局所進行喉頭癌に対しても化学放射線療法が選択されるようになってきていますが、適応症例の選択基準が確立されていません。
放射線治療を行う際には照射範囲の設定が必要です。T2声門癌に対する照射範囲は、原発巣(声門)のみであり、頸部リンパ節領域の予防照射は不要であるとされています。一方、T3声門癌に対しては、予防照射を推奨する報告がみられます。
頭頸部腫瘍の放射線治療では、照射体積が大きくなるにつれて、皮膚炎や粘膜炎などの有害事象を生じるリスクが増大します。特に急性期の有害事象は休止によって治療期間が遷延し、成績の低下を招く可能性があります。
声門癌は病期分類が変更され、T2の一部がT3に組み込まれました。しかし、T3症例において、予防照射が不要な症例が混在している可能性があります。本研究の目的は、声帯固定を伴わないT3声門癌の治療成績及び放射線治療の照射野と再発形式の関係を遡及的に解析し、治療法の評価を行うとともに、頸部リンパ節領域の予防照射の必要性を検討することです。
- 研究の対象
- 1992年から2015年に熊本大学医学部附属病院で放射線治療を受けられた、声帯固定を伴わないT3声門癌約80例の患者様です。
- 方法
- 1) 生存および再発、副作用に関する情報を収集します。
2) 局所制御や喉頭温存、生存を解析します。
3) 再発形式および再発までの期間を解析します。
4) 頸部リンパ節の転帰と照射野の関係を解析します。
5) 2)から4)をもとに治療法の評価を行い、頸部リンパ節領域の予防照射の必要性を検討します。
- 研究への参加と個人情報の保護について
- 本研究への参加を拒否されても何ら不利益は生じません。プライバシーの保護および人権保護には最善を尽くします。
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