研究テーマ
-
研究課題
-
全身照射に対する強度変調回転放射線治療計画の評価と実現可能性の検討(倫理)
- 研究の目的と意義
- PDFはコチラ
全⾝照射(Total Body Irradiation: TBI)は, 造⾎幹細胞移植の前処置として重要な役割を果たす治療です.これまで TBI は,患者と治療装置の射出⼝を⻑く距離をとり,全⾝を照射できる範囲に広げる long source to surface distance (long SSD) 法が⽤いられてきました. Long SSD法は,照射技術として⼀⾨照射と簡便な⽅法であるが, TBI ⽤の特殊な寝台やリスク臓器の遮蔽に専⽤鉛ブロックの作成が必要であり,またリスク臓器の正確な線量評価ができない点などいくつかの限界があります.近年,治療装置と治療計画装置 (treatment planning system: TPS)の技術進化により,本邦で強度変調放射線治療(intensity modulated radiotherapy: IMRT)や強度変調回転放射線治療(volumetric modulated arc therapy: VMAT)が多くの治療部位で実施されています.TBI に VMAT を⽤いることで,患者体内の線量を TPS で正確に把握および管理することができ,また⽔晶体,肺,腎臓,および精巣または卵巣などの線量を低減できる可能性があります.しかし,VMAT を⽤いた TBIの治療計画や線量評価,運⽤⽅法および実現可能性については明らかでありません.本研究の⽬的は,TBI に VMAT を実施し,従来の Long SSD 法と治療計画や線量パラメータ(ターゲット・リスク臓器線量)および運⽤⽅法を⽐較することで,その有⽤性の評価と実現可能性について検討することです.
- 研究の対象
- 2021 年 4 ⽉から 2025 年 4 ⽉までに熊本⼤学病院で全⾝照射の放射線治療を実施した患者(対象患者数は 50 名)
- 方法
- 初めに,従来の放射線治療計画(long SSD 法)の治療計画,線量パラメータ(ターゲット線量,リスク臓器の最⼤線量、平均線量),照射時間,運⽤⼿順を後⽅視的に解析し,評価します. 次に,全⾝照射を強度変調回転放射線治療計画(VMAT) で作成し, 上記と同様の評価します。 最後に,long SSD 法と VMAT 治療計画の線量分布,線量パラメータ,照射時間,運⽤⼿順の⽐較を⾏い,本研究の課題である VMAT 治療計画の有⽤性と実現可能性について評価します.
- 研究への参加と個人情報の保護について
- 情報の利⽤に同意いただけない場合はいつでもお申し出ください.下記連絡先へその旨をご連絡いただければ速やかに対応いたします.同意いただけないことによる不利益は⼀切ありません.プライバシーの保護および人権保護には最善を尽くします.
Copyright© 2016 Kumamoto University Graduate School,life science research unit,radiation therapy medicine,radiation therapy department, All Rights Reserved.